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[CES2021]Vol.02 今年のテックトレンドとは?〜CTA’s 2021 Tech Trends to Watch解剖

txt:西村真里子 構成:編集部

手探りのCES2021はどうなるのか?


オール・デジタルのCESが開幕した。CESツイッターアカウントもこのデジタル化の波を楽しむかのように、CESという見本市そのものビフォー・アフター(リアルな展示場所からバーチャルスタジオへ!)を紹介する写真をポストしている。


CESのデジタル化により、見本市などのイベント会場でおなじみのブース展示から進化を遂げバーチャルスタジオ、オンラインへとシフトしたているのを肌で感じる

2021年1月11日をメディアデイとして、1月12日~13日を本番として迎えるCES 2021で楽しみにしていたのはCES主催のCTAが毎年発表する「テック・トレンド」である。CTAのリサーチ部門の方々がその年のテックトレンドを発表し、CESの注目のセッションやプロダクトを教えてくれるので「CES 2021の歩き方」として要チェックのセッションだ。


さすがは世界最大級のテクノロジー見本市を謳うCTA/CES、2020年のCOVID-19による危機がイノベーションを加速させる最大のチャンスだと、英国の経済学者フリーマンの言葉を借りて紹介している。




“イノベーションは不況の時にそのスピードを加速させ、景気が回復した時にその技術革新の大きなうねりを解き放たつものである”
経済学者クリストファー・フリーマンの言葉


この記事を読んでくださっている方も実感していると思うが、2020年はテクノロジーの進化が進んだ。それをデータとして表している。特にEコマース、オンラインショッピング、遠隔医療、ストリーミングビデオ、遠隔教育において技術の浸透が一気に早まっていることを調査会社マッキンゼーのデータを元に紹介している。




劇的な生活様式の変化は我々に新たなテクノロジーニーズを生み出す。世界最大級のテクノロジー見本市CESとしては、そのなかでも「デジタルヘルス(遠隔医療・ウェアラブルなど)」「ロボット・ドローン(医療ロボット、配達ドローンなど)」「5G」「デジタルトランスフォーメーション」「自動車関連テクノロジー」「スマートシティー」と6つのトレンドを打ち出した。








これまでもCESではデジタルヘルスはカテゴリーとして扱っていた。しかしながら優先順位としては高くなく、腕時計型のウェアラブルデバイスで平常時のコンディションを測るものや、スリープテックや赤ちゃん見守りなど、ある意味「NICE TO HAVE(あった方がいいかな?)」と思われるソリューションが多かったのが実際のところだ。ただCOVID-19の危機(CTAはCOVID-19をcrisis危機と呼んでいる)を経て遠隔医療や、医療用ロボット、ドローンによる薬の配送などは、今必要なものとしてニーズが高まっている。


それではPRONEWS的な視点で、優先順位に沿ってテクノロジートレンドの詳細をCTAの資料を中心に今年のトレンドを4つのカテゴリーで紐解いていこう。

  1. デジタルヘルス、遠隔医療、ロボット&AI
  2. デジタルトランスフォーメーション
  3. ロボット、ドローン
  4. スマートシティー

テクノロジートレンド(1):デジタルヘルス、遠隔医療、ロボット&AI


ネットに接続されている健康管理のデバイスは今後も拡大市場となっている。すでに2019年比較で2020年が倍近い市場拡大が結果として現れているがこのトレンドは2024年まで継続しそうである。



今年のCES 2021イノベーションアワード受賞の「Epsy」は今後のデジタル・アプリによる治療が促進する例の一つとして挙げられるだろう。


Epsyは患者、介護者、医療従事者を支援するてんかん管理のためのデジタルヘルスプラットフォームで、てんかんの発作、服薬コンプライアンス、トリガーを追跡するための豊富なデータ日記を作成することで、てんかんの管理をわかりやすくするアプリケーションだ。これからは日々のデータが未病や突然の発作に対する恐怖を軽減してくれそうだ。




また、ウェアラブルデバイスは、腕時計型が主流だが、他の形状も今後バリエーション増えそうである。


リング型の「oura ring」は発熱状況も確認できるので、COVID-19の発病を管理するのに役立っているそうだ。また、CES 2021 イノベーションアワード受賞の「Bio Button」は米国のFDA認証も得ており、CDCガイドラインに沿ったバイタルデータによる健康管理も行える。


COVID-19の発熱も管理され、米国デトロイトの大学では教職員と学生にBio Button装着を推奨しているようだ。我々日本はCOCOAという接触確認アプリを厚生労働省が推奨しているが、より強固にCOVID-19および感染症予防を行いたい組織やコミュニティはBio Buttonのようなデバイスの装着も検討しはじめるかもしれない、とセッションを聞きながら思った。



そして、今後の医療分野でのイノベーションが加速する分野としてはロボットによるトリアージ、AI診断、XR活用などが挙げられる。ロボットやAIがまずは患者の重要度を確認し、有限である人間の医師の診察や治療を重要度順に行ってもらえれば、医療崩壊という最悪の事態は免れるのかもしれない。


1日も早くロボットトリアージやAI診断、そして遠隔から意思がXRテクノロジーを活用した適切な治療が行える環境が整って欲しい。このような一生活者のニーズが積りに積もってデジタルヘルスの分野のイノベーションの加速がトレンドとしても挙げられているのだろう。



テクノロジートレンド(2):デジタルトランスフォーメーション


企業のクラウド活用も進化している。マイクロソフトのCEOサティア・ナデラの言葉によると「2年かかるデジタルトランスフォーメーションが2ヶ月で進んでいる」とのことだ。一言にクラウドといっても進化の領域は様々ある。まずはクラウド導入が進んでいなかった企業がリモートワークなどを促進する必要性から企業データのクラウド化を行い、またクラウド上でのマイグレーションも検討している、その伸び率が高い。


また、COVID-19以前はクラウドの導入検討材料としてはまずは価格面が見られていたようだが、企業の本格クラウド活用が進むにあたりセキュリティの意識も高まっているようだ。



先ほど遠隔医療、デジタルヘルスをトレンドの一位にあげたが、フィットネスや教育もデジタルトランスフォーメーションの領域として注目されている。


日本でもフィットネスジムのクラスターがニュースになっているが、より強烈なロックダウンが行われている米国やヨーロッパでは自宅でできるフィットネス、そしてフィットネスにプラスして栄養管理など総合的な健康管理が行えるソリューションへのニーズも高まっているようだ。個人的に応援しているロサンゼルスのNeuralXなどはまさにオンラインフィットネスに最適な時代のニーズに適しているソリューションを持っている。家庭内で栄養およびフィットネスも意識するのが当たり前の時代がやってきている。




テクノロジートレンド(3):ロボット、ドローン

COVID-19を経て我々は衛生面に関しての意識が高まっていることは周知の通りだ。これらの背景から紫外線を利用したウィルスの殺菌を行うロボットやドローンのニーズが高まっていることも注目すべき点だ。

飛行機やスーパーマーケットなど不特定多数の方が触れる表面に関して殺菌してくれるロボットのニーズは、COVID-19以前ではマイナーなニーズであっただろう。テクノロジーの進化が求められている新領域として顕著な例である。




配達ロボットやドローンはいままでも技術としてはあったが、実際に適用が進んだのも2020年のおかげだろう。アマゾンは生活用品を、UPSは薬を配達するために活用をはじめている。


日本でも浜松の限界集落で薬をドローンで配達する実験が行われているが、サンドボックスエリア以外でもドローンでの配達なども行われる日も近そうである。地上階に住んでいる方には、四輪の配送ロボット、高層マンションに住んでいる方には配送ドローンなど居住エリアによっても必要となるテクノロジーは違うので、画一的にドローン可能エリアを現在の地図上の特区で決めるだけではなく、人々の生活スタイルに合わせて変えていければ良いのでは無いかともセッションを聞きながら考えた。

テクノロジートレンド(4):スマートシティ



いままでのスマートシティでは5Gやコネクテッドカーを中心としたトピックが多かったのだが、COVID-19を経てセンサーや非対面技術が求められるようになっている。CESのトレンドとしても非接触技術、空気清浄・表面清浄のニーズの高まりが挙げられている。公共エリアで人々がウィルス感染の恐怖から身を守れるような非接触、衛生関連技術がより多く生まれそうである。



上記がCTA発信のトレンドだが、日本に住む生活者や企業人としてのニーズを汲んでいるトレンドだ。これはCOVID-19が世界中のテクノロジーへのニーズを一気に引き上げ、新しい世界を生み出すポテンシャルを持っていると考えることができる。



冒頭の英国経済学者クリストファー・フリーマンの言葉ではないが、経済的な落ち込みがみられる時期にイノベーションは加速するとのことだ。現在の危機的な状況をイノベーションを育む大切な時期と考え貪欲にCES 2021で繰り広げられるカンファレンスセッションや展示を巡りたい。

txt:西村真里子 構成:編集部


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