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カーライル、コロナ禍でTMT業界に商機-テレビCM国内最大手買収 – Bloomberg

新型コロナウイルス禍でデジタルトランスフォーメーション(DX)が加速する中、米投資ファンドのカーライル・グループがテクノロジー・メディア・通信(TMT)業界の企業買収に商機を見いだしている。このほど買収を決めたテレビCM制作国内最大手に対し、企業の合併・買収(M&A)資金として1件当たり最大100億円を追加で拠出していく意向だ。

  カーライルは6日、東証1部上場のAOI TYO(アオイティーワイオー)ホールディングスへの株式公開買い付け(TOB)が成立し、80%超の株式を取得すると発表した。今後、株式併合の手続きを経て全株式を取得し非公開化する。取得総額は約214億円。経営陣の依頼に基づくMBO(経営陣による買収)で、現経営陣は続投し、株式の一部を引き受ける。カーライルは社外取締役を派遣する。

  カーライル・ジャパンの小倉淳平マネージングディレクターは「コロナ禍による生活様式の変化で、業界を取り巻く環境が激変している」として、非公開化により「改革を加速することで成長するチャンスでもある」と意気込む。事業環境の変化に合わせ、現在、広告代理店の受託制作が7割、広告主との直接取引3割の比率を5年程度で逆転させることを目指す。3-5年でのエグジットを想定している。

  AOITYは、桃太郎、浦島太郎、金太郎が登場するKDDIの携帯電話ブランド「au三太郎シリーズ」などのテレビCMやユーチューブなどのデジタル媒体でのCM制作を手掛けている。コロナ禍による撮影の中止・延期などが影響し、2020年12月期連結決算は26億円の最終損失を計上した。

デジタル広告に存在感

YouTube TV Goes Dark for an Hour During World Cup Semifinals

ユーチューブなどデジタル媒体の動画広告予算が増加へ

Photographer:Kiyoshi Ota/Bloomberg

  コロナ禍で家で過ごす時間が増え、ニッチで多様なコンテンツに特化したオンライン動画などを楽しむ動きが広がり、デジタル広告の存在感は増している。米アルファベット傘下のユーチューブの20年の広告収入は前年比31%増の198億ドル(現在のレートで約2兆1800億円)と同社の総収入(13%増)より高い成長を記録した。

  調査会社デジタルインファクト(東京都文京区)の国内調査によると、スポンサー企業や広告会社の53.7%が21年にデジタル媒体の動画広告予算が増えると答えた。デジタルがテレビCMの補完的役割との認識は急速に薄れつつある。

  カーライルの小倉氏はテレビやウェブなど複数のメディアを使って効果的な広告を打つトレンドがますます強まると予測。AOITYは「デジタル、テレビのどちらにも偏っておらず、メディアミックスの時代に強みを発揮できる」と説明。提案力強化のために国内コンサルティング企業などの買収を検討していくほか、給与体系にストックオプションなどの成功報酬制度を導入し、優秀な社員に報いたいと述べた。

  CM制作会社を含むTMT業界については「非常にチャンスが広がっており、特に注力する分野の一つだ」と話す。在宅勤務などコロナ禍による環境の変化が、TMT業界が携わる通信ネットワークやIT(情報技術)による社会の変革を後押ししていることが背景にある。カーライルは、20年に組成した2580億円の日本特化ファンドの投資額の3分の1をTMT業界に振り向けたい意向だ。

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