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【重要ニュースまとめ(9/11~9/17)】OpenSeaでインサイダー取引が発覚、Coinbaseのレンディングサービスに証券法違反の可能性、Solanaのブロックチェーンが一時ダウン | 仮想通貨コラム | 仮想通貨(暗号資産)の比較・ランキングならHEDGE GUIDE

今回は、9/11~9/17の暗号資産・ブロックチェーン業界重要ニュースについて、田上 智裕 氏(@tomohiro_tagami)に解説していただきました。

目次

  1. 初心者向け主要ニュース【難易度:★☆☆】
    1-1. ビットコインの保有実態を調査
    1-2. OpenSeaでインサイダー取引が発生
    1-3. エルサルバドルが海外投資家によるビットコイン投資を無課税に
  2. 暗号資産・ブロックチェーン重要ニュース【難易度:★★☆】
    2-1. イギリスで郵便局のデジタルIDを使ってビットコインとイーサリアムを購入可能に
    2-2. マスターカードがCipherTraceを買収
  3. 暗号資産・ブロックチェーン重要ニュース【難易度:★★★】
    3-1. 米SECがCoinbaseのレンディングサービスを提訴
    3-2. Solanaのブロックチェーンが一時ダウン
  4. まとめ、著者の考察

初心者向け主要ニュース【難易度:★☆☆】

ビットコインの保有実態を調査

オンチェーン分析企業のEcoinometricsが、ビットコインの保有状況に関する調査を行いました。対象となったのは政府や企業などの組織であり、個人は含まれていません。

調査によると、現在市場に流通しているビットコインのうち、約8%が政府や企業によって保有されているといいます。逆にいうと、残りの92%は個人が保有していることになります。なお、取引所に保管されているビットコインは個人が保有していることになると思われます。

特筆すべきは、ハッキング事件により2013年から2014年にかけて話題となったMt.Goxが未だに大型のホルダーであるということです。上場企業として大量のビットコインを購入し続けているマイクロストラテジーが有名ですが、Mt.Goxが現在もそれを上回ります。

政府としては、エルサルバドルに注目が集まる中で、その400倍もの量をブルガリア政府が保有していることが明らかとなりました。

【参照記事】Ecoinometrics – Who is Hodling? – by Ecoinometrics – Ecoinometrics

OpenSeaでインサイダー取引が発生

OpenSeaでインサイダー取引が発覚しました。当該の人物がプロダクト責任者を務めていた人であったため、OpenSeaも急いでポリシー規定を設けるなどの対応に追われています。

NFTマーケットプレイス最大手のOpenSeaでは、一部のNFTを最もユーザーの集まるトップページに掲載するなどの特集企画を実施しています。そこに掲載されるNFTの情報は、内部の一部メンバーのみ知ることができますが、プロダクト責任者だった人物はこの情報をもとに事前に対象となるNFTを購入していたとされています。

現状、NFTに関するインサイダー取引の違法性を指摘する法律は存在しません。そのため、過去にOpenSea以外でもインサイダー取引を疑う声が多数あがっていました。

今回、OpenSeaは事の重大さを認識し、プロダクト責任者を解雇する決定を下しています。

【参照記事】Our commitment to the OpenSea community

エルサルバドルが海外投資家によるビットコイン投資を無課税に

エルサルバドル政府が、国外からの投資を誘致するために、海外投資家のビットコイン投資による利益には課税しないことを発表しました。

国内産業に限りのあるエルサルバドルでは、国際送金がGDPの大部分を占めるなど国境を越えた取引が重要視されています。エルサルバドル政府は、世界で初めてビットコインを法定通貨として認めたことで注目を集めている今のうちに、国外からの投資需要を取り込む狙いを定めています。

エルサルバドル以外にも、ビットコイン投資が無課税となっている国は10ヶ国あると報告されています。香港やマルタ、シンガポールといった税制緩和で有名な国だけでなく、ドイツやポルトガルなども無課税だといいます。

【関連記事】エルサルバドルのビットコイン投資は課税対象外、無課税国は11ヶ国に

初心者向け主要ニュース【難易度:★★☆】

イギリスで郵便局のデジタルIDを使ってビットコインとイーサリアムを購入可能に

1000万以上のイギリス国民に普及しているイギリス郵便局のデジタルID「EasyID」で、ビットコインとイーサリアムを購入できるようになりました。具体的には、ビットコインとイーサリアムに交換可能な交換券を購入できるとされています。

DeFi市場に流動性を供給するSwarm Marketsは、イギリス郵便局の発行するEasyIDと連携することで、暗号資産へのアクセスを実現したと発表しました。実現に際しては、当局からのライセンスを取得したとしており、自らを世界で初めて当局に認められたDeFiプロトコルであると主張しています。

分散型のDeFiプロトコルは公共財として扱われるのが通説となっており、自らを当局認定の何かと主張することが適切かどうかは怪しいところですが、イギリス国民1,000万人以上に普及しているEasyIDとの連携は、市場拡大に大きな影響を与えることになりそうです。

【関連記事】イギリス郵便局のデジタルIDで暗号資産の購入が可能に、DeFiプロトコルと連携

マスターカードがCipherTraceを買収

マスターカードが、ブロックチェーン分析企業CipherTraceを買収しました。暗号資産以外のデジタル資産に対してCipherTraceの分析技術を拡大していく狙いです。

マスターカードは、自社の顧客に対して積極的に暗号資産へのアクセスを推奨するわけではないとしつつも、デジタル資産への移行は不可避のものであるとの考えを明らかにしました。その上で、高い分析技術を持つCipherTraceのサービスを暗号資産以外に適用していくとしています。

具体的には、すでに取り組みを始めているステーブルコインやCBDCなどがあげられるでしょう。ビットコインなどの暗号資産はボラティリティが高く決済手段として適切ではありませんが、ステーブルコインやCBDCにはその可能性が秘められています。

マスターカードとしても、クレジットカード決済で確立した基盤をもとに、新たな決済手段の普及をリードしていく構えです。

【関連記事】マスターカードがブロックチェーン分析企業を買収、デジタル資産領域への対応強化

初心者向け主要ニュース【難易度:★★★】

米SECがCoinbaseのレンディングサービスを提訴

米SECが、Coinbaseが提供予定の暗号資産レンディングサービスを提訴する方針を示しました。企業の財務に関する違法性を調査することを正式に通知する「ウェルズ通知」がすでに届いたとされています。

有価証券を規制する証券取引委員会(SEC)は、これまでに暗号資産の証券性について度々議論してきましたが、今回は暗号資産を使ったレンディングサービスが対象となっています。

上場企業となったCoinbaseに対するものであり、暗号資産レンディングサービス全てに証券法違反の可能性が浮上したわけではないものの、今後の動向次第では業界の流れが大きく変わりそうな案件です。

詳細は明らかになっていませんが、暗号資産が証券に該当する可能性が高いのであれば、それを貸借する関連サービスも証券法の範疇にあるべき、というのがSECの考えでしょう。

【関連記事】米SEC、Coinbaseのレンディングサービス提訴の可能性を示唆

Solanaのブロックチェーンが一時ダウン

「イーサリアムキラー」として急成長しているパブリックチェーンSolanaが、10時間以上ダウンしました。トランザクションの急増により一時的に処理できなくなったことが原因とされています。

イーサリアムは、処理性能の限界を意味するトランザクション問題を抱えています。また、それに伴うガス代の高騰も問題となっており、昨今はイーサリアムキラーと呼ばれる他のパブリックチェーンが複数台頭してきました。

その筆頭格がSolanaであり、イーサリアムのような分散性を犠牲にする代わりに高い処理性能を強みにしています。そんなSolanaが、トランザクションの急増により一時ダウンしたことで大きく話題となりました。

ブロックチェーンにおいて最も重要な要素は分散性です。ただし、実用化に向けてある程度の分散性を犠牲にして処理性能を高めることはもはや避けられないことも事実でしょう。しかし、分散性を犠牲にしてまで高めた処理性能が原因でブロックチェーンがダウンするという事態は、最も避けるべきことです。

もちろん、ビットコインでさえ過去に一度ダウンしたことがあるため、ブロックチェーンは絶対にダウンしないという理解は誤りですが、これを機にパブリックチェーンに求める要件を再定義するのも良いかもしれません。

【参照URL】https://twitter.com/SolanaStatus/status/1437757547235131396​​

まとめ、著者の考察

今週は、OpenSeaのインサイダー取引やCoinbaseのレンディングサービスに対するSECの提訴、Solanaブロックチェーンのダウンなどが話題となりました。

暗号資産やNFTのインサイダー取引は、これまでに度々問題視されてきたものの、取り締まる法律も制定されていないことから、目立った立件事案は出ていませんでした。今回OpenSeaが明確な対応を取ったことで、今後は自主規制のようなガイドラインが制定されるかもしれません。

そういった意味では、起きてしまったことは残念ですが、OpenSeaが業界最大手として取るべき措置を取ったと言えるのではないでしょうか。

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田上智裕

株式会社techtec 代表取締役。リクルートホールディングスでの全社ブロックチェーンR&Dを経験後、2018年に株式会社techtecを創業。「学習するほどトークンがもらえる」ブロックチェーンのオンライン学習サービス「PoL(ポル)」を運営。メディアでの執筆や海外での講演などを中心に、ブロックチェーン業界の発展にコミットしている。

田上智裕


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