異文化についての見解を拡げる最適の場

「モナ・リザ」と並ぶ美術館のシンボル的な存在「ミロのヴィーナス」

端正な曲線美は見るものを魅了してやまない

ルーヴル美術館には古代から近世までの非常に長い時代にわたる彫刻作品が展示されていますが、最もよく知られているのが「ミロのヴィーナス」と「サモトラケのニケ」です。

「ミロのヴィーナス」は当時トルコ領だった、キュクラデス諸島のミロ島で農夫によって発見されました。フランス大使のリビエール侯爵はトルコ政府に対して購入交渉を行う一方、発掘を並行させ、1821年ルイ18世へ寄贈されました。

紀元前100年頃の作品(作者不詳)とされるヴィーナス像の喪失した左足、両腕が多くの推測を呼んでいますが、右手を体の前で交差させ。左腕を伸ばしてたのではないかという説が有力となっています。

女性特有の柔らかな身体が描くゆるやかなS字形のカーブ、重量感を感じさせる衣の襞、やや傾いた小さな頭部のバランスが絶妙。ギリシア彫刻の最盛期である紀元前5~4世紀への情憧を込めて製作されたヘレニズム時代の傑作です。

ギリシア神話に登場する勝利の女神ニケが船の舳先に下りる瞬間を表した「サモトラケのニケ」は1863年、ギリシャ共和国のサモトラケ島から出土しました。紀元前190年ごろの作品とされるこの彫刻は、船の舳先をかたどった台座の上に置かれていたとされています。

「ミロのヴィーナス」と同様に緩やかな身体の動きと流れるような衣、端正でありながら豊かな肉体、周囲の空間まで感じさせる表現手法が魅力的です。ルーヴルの大階段の下から見上げると翼の広がりとその躍動感に感動を覚えることと思います。