異なる文明や文化について知見を拡げる最適の場

エジプト、メソポタミア、古代ギリシア、ヨーロッパの美術品を一堂に収める大美術館

建築家I.M.ペイの設計

ルーヴルの歴史は1190年頃、フィリップ2世(尊厳王:1165‐1223)がノルマン系英国人の脅威に備えてこの地に建設した城塞にはじまります。

その後、14世紀末にシャルル5世による王宮の改築、さらに16世紀にはフランソワ1世、17世紀にはルイ14世による改築と拡張が続けられました。

ルイ14世がヴェルサイユに王宮を移したため、政治と文化の中心だったルーヴルの地は荒廃しましたが、その後、芸術の殿堂として復活することになります。

現在の美術館としてのルーヴルが生まれたのは、フランス革命直後の1793年です。革命以前に王家や貴族が所蔵していた莫大な数に上る美術品を一般に公開するため、ルーヴルを美術館として使用することとなり、改造や拡張工事を行って展示室が整えられていきました。

ナポレオン1世の時代には、イタリアやエジプト遠征で得た美術品が加わり、エジプト、メソポタミア、古代ギリシア、ヨーロッパの美術を保有する世界的な美術館となりました。

20世紀にはいると、ミッテラン政権下で実行された文化政策「グラン・ルーヴル計画」により、今やルーヴル美術館のシンボルとなっているガラスのピラミッドが完成し、鹿に研究施設やショッピングセンターなどを設け、中世の城塞や城館の遺溝の見学も可能となりました。90年代には大蔵省が使用していた北側のリシュリュー翼が公開されたほか、南側のドノン翼と東に位置するシュリー翼が再整備されました。

ピラミッド完成後の現在も、館内の改装整備は続いています。21世紀になって新設された非西欧世界美術の展示室と、イスラム美術展自室は、シラク大統領の意向によるものです。

1986年、セーヌ川の対岸にオルセー美術館が開館されました。ルーヴルの急増するコレクションと見学者に対応するため、1848年以降の美術品はオルセー美術館に移されることになりましたが、ルーヴルは現在もなお新石器時代から19世紀半ばまでという長い時代にわたる膨大な美術品を展示しており、世界に誇る大美術館として毎年世界中から多くの人が訪れています。

収蔵品の主なカテゴリーの紹介

マルリーの馬

古代オリエント美術部門では、古代メソポタミアとシュメール文明、アッカド文明などの収蔵品が充実しています。バビロニア初期王朝期に作られた「ハムラビ法典碑」など、人類が文字を使用するようになった時代の資料が揃っています。考古学研究とともに歩んできた同部門は、現在も定期的な発掘調査によりコレクションを増やしています。

古代エジプト美術部門では、紀元前4000年代から紀元9世紀頃にいたる膨大なコレクションが待っています。ファラオの出現からギリシア系の王にかけて年代順になドルコースと、エジプト文明の多面的な様相をテーマ別に構成した二つのコースがあります。

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術部門では、新石器時代からローマ時代後半におけるヨーロッパ産代文明の美術品を一堂に展示しています。ルーヴルの目玉の一つである「ミロのヴィーナス」や「サモトラケのニケ」もここに属しています。1階に大理石彫刻が、2階には青銅、銅器、ガラス工芸、陶芸、宝飾品などが展示されています。

彫刻部門では、中世初期から19世紀中ごろにかけてのフランスやイタリア、スペイン、ドイツなどヨーロッパ各国の彫刻が展示されています。ロマネスクやゴシック、バロック、ロマン主義などあらゆる時代の多様な様式をそろえたフランス彫刻のコレクションが秀逸。

工芸部門は、フランス王家とサンドニ修道院の宝物などを元にしたコレクションとなっており、5世紀から19世紀後半までの宝飾品や家具、タピスリー、金属細工品などが展示されています。「ナポレオン3世の居室」と、ルイ14世の「アポロン・ギャラリー」が必見。

絵画部門は世界の名だたる美術館を抑えて最大級の収集品数を誇ります。フランスを筆頭に、イタリア、ドイツ、オランダ、北欧諸国などの13世紀から19世紀中ごろまでの作品を収蔵しています。レオナルド・ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」をはじめ、得る・グレコ、フェルメール、ドラクロワなどの巨匠達の作品が目白押しです。